同じ返礼品でも額に差 ― 釜石市特設サイト「ふるさと生活」と楽天ふるさと納税の主要返礼品10品を比較。使い道を「団体指定」にすれば、認定NPO法人Plus One Happinessなど地域の福祉活動団体を直接支援できる仕組みも

岩手県釜石市は、ふるさと納税の申込みを受け付ける市の特設サイト「ふるさと生活」(https://kamaishi.furusato-seikatsu.jp/、運営:株式会社かまいしDMC)について、主要ポータルサイトと同じ返礼品を比較したところ、複数の返礼品で寄附額に差があることが分かりました。国内最大手・楽天ふるさと納税(額シェア約44%)の掲載価格と比較した10品目は、いずれも同サイトの方が10.8%〜15.6%(平均約13.5%)安く、高額な定期便では37,000円の差が確認できた品目もありました。

総務省は2026年10月1日、ふるさと納税の指定基準を改正し、自治体が返礼品調達費・送料・ポータルサイト手数料などの募集経費に充てられる上限を、寄附額の50%から47.5%に引き下げました(寄附活用可能額52.5%以上)。これに先立ち総務省は5月、ポータルサイト運営事業者に手数料の引き下げを要請しましたが、8月に公表された回答では、回答した20社のうち14社が現行の手数料水準を維持すると回答しており、今回の制度改正は、こうした状況を踏まえた措置とみられます。年間1,379億円がポータル手数料として支払われている実態がある中、自治体が直接運営する特設サイトを選ぶことは、寄附者にとって新たな選択肢の一つになりそうです。

同じ返礼品で、なぜ額に差が出るのか

釜石市の特設サイト「ふるさと生活」(https://kamaishi.furusato-seikatsu.jp/)は、2025年末に開設された株式会社かまいしDMCが運営するふるさと納税サイトです(釜石市委託事業)。同社の発表(2026年3月22日付)では「釜石市の返礼品を、どこよりもお安い寄附額で手に入れることができる」としています。

総務省は2026年10月1日、ふるさと納税の指定基準を改正し、自治体が返礼品調達費・送料・ポータルサイト手数料などの募集経費に充てられる上限を、寄附額の50%から47.5%に引き下げました(寄附活用可能額52.5%以上)。これに伴い、主要ポータルサイトでは同じ返礼品でも寄附金額を引き上げる動きが見られる一方、ポータルサイトを介さず手数料負担の少ない釜石市の特設サイトでは、値上げ幅が抑えられたとみられます。

実際に、改正後の10月1日時点で楽天ふるさと納税に掲載されている価格との比較例を確認したところ、10品目すべてで特設サイトの方が安く、差額は10.8%〜15.6%(平均約13.5%)、最も高額な定期便では37,000円の差が確認できました。

返礼品特設サイト楽天ふるさと納税差額(差額率)
釜石和山放牧牛
和の風バーグ20個
19,000円22,500円3,500円(15.6%)
牛たん(塩ダレ)22,000円26,000円4,000円(15.4%)
生うに(瓶入り)24,500円28,500円4,000円(14.0%)
春夏秋冬 お酒呑み比べ定期便(浜千鳥)71,000円82,500円11,500円(13.9%)
活ホタテ16,000円18,500円2,500円(13.5%)
旬の逸品12ヶ月定期便(ヤマキイチ商店)239,000円276,000円37,000円(13.4%)
ホタテ貝柱16,500円19,000円2,500円(13.2%)
海宝漬 お楽しみ定期便3ヶ月(中村家)64,500円73,500円9,000円(12.2%)
活毛ガニ17,500円20,000円2,500円(12.5%)
活蝦夷あわび(500g)41,500円46,500円5,000円(10.8%)

使い道を選ぶと、地域の福祉活動団体を直接支援できる

「ふるさと生活」では、他のポータルサイトと同様に、震災復興や子育て支援など釜石市の一般的な使い道を選ぶこともできますが、それに加えて、地域社会の課題解決に取り組む8つの団体の中から寄附先を指定できる「団体指定寄附」という選択肢も用意されています。指定された寄附金は市が取りまとめた上で、各団体へ補助金として交付される仕組みです。

指定団体の一つ、認定NPO法人Plus One Happiness(釜石市、理事長:横沢友樹)は、重症心身障害児・医療的ケア児を含む障害児とその家族への支援に取り組んでおり、令和7年度は8団体への指定寄附総額(292万1,500円)のうち94.8%にあたる276万8,500円がこの法人に指定されました。前年度(220万2,000円)からは25.7%の増加です。

同法人は釜石市の基幹相談支援センターの運営受託や、グループホームの運営、障害のある子どもとその家族が参加できるユニバーサルツーリズムの企画(三陸ユニバーサルビーチ、ユニバーサルツアー等)を行っており、指定された寄附はこうした活動に活用されます。

理事長コメント

私たちは『生きてるだけじゃ物足りない、楽しまないと』をスローガンに、障害があっても人生を十分に楽しめる支援を行ってきました。
これは一方的な支援ではありません。頂いたご支援は地域の産業・事業者へと流れ、要支援者も消費者として地域経済に加わっていく。

私たちは障害児・者支援と同時に、地域経済循環の一翼を担っていきたいと考えています。

引き続き、ふるさと納税を通じた温かいご支援をお願いいたします。

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