釜石名物 うにしゃぶ

先日、家族で釜石市にある宿泊施設に宿泊してきました。

今回の旅の本来の目的は、この施設で提供されている「ウニしゃぶ」を味わうことでした。

ある日の夕食(公式サイトより)

季節によって食材が変わる手作りのお料理。
地元の旬のものをたくさん味わってほしい。
という女将の願いと愛情が込められています。

※生の魚介類が苦手な方には、火を通したお料理に変更できます。

釜石名物 うにしゃぶ(公式サイトより)

釜石で獲れた生うにがベースのオリジナルスープ。そこに季節の魚介や野菜を湯通ししていただきます。
夏の釜石名物であるうにを、旬の時期以外でも楽しめるこだわりの品です。

締めの『おじや』がこれまた絶品!

今回いただいた「ウニしゃぶ」は、1泊2食付き宿泊プランで平日18,500円~(休日・祝前日22,500円~)。

釜石の新たな名物として特産化を目指している料理とのことで以前から気になっていましたが、期待を裏切らない内容でした。味はもちろん、量も十分。料理全体の満足度は非常に高く、私たち家族にとって大満足の夕食となりました。

私たち家族は、旅館を選ぶ際には料理を重視しています。また、私の仕事柄、あまり遠くまで旅行することはできません。そのため、近場の宿を訪れることもあります。その中でも、自信を持っておすすめできる食事でした。

しかし、今回私が最も感動したのは料理ではありません。

この施設に込められた「ユニバーサルデザイン」の考え方でした。

最初は「低い洗面台」が気になった

この施設は、元保育園をリフォームした宿泊施設です。

館内に入り、最初に目に留まったのが洗面台でした。

低い。

身長180cmを超える私には、少し低く感じます。

でも、幼児2人を連れていた私はすぐに気付きました。

保育園だったから、この高さなんだ。子どもには使いやすそうだ。

保育園のころの名残と思われる洗面台。

高さは私の膝丈程度だが、子どもには使いやすい。

さらに考えました。

……待てよ。この高さなら、車椅子の方にも使いやすいのではないか。

もし一般的な高さの洗面台だったなら、私は快適に使えます。
しかし、車椅子利用者の中には、そのままでは使えない方もいるでしょう。

一方、この低さであれば、私のような背の高い人は多少前かがみになりますが、使えないわけではありません

少数派が使えない施設」より、「多数派が少しだけ不便でも、誰もが使える施設」。

この洗面台一つから、そんなことを考えさせられました。

偶然ではなく、一貫した設計思想

しかし、本当に驚いたのはここからです。
館内を見て回ると、この施設は細部まで非常によく考えられていました。

玄関にはスロープと手すりが設置され、入口には段差がありません。
浴室やトイレの入口は三枚引き戸となっており、車椅子でも利用しやすい十分な開口幅が確保されています。
シャワー室と浴室は別々に設けられ、それぞれの脱衣室には洗面台があります。
シャワー室側は一般的な高さですが、浴室側は車椅子でも使いやすい高さに設計されていました。

さらに驚いたのは浴室です。

通常、ユニットバスには水漏れ防止のため数センチの段差があります。
しかし、この施設ではその段差までスロープで解消されていました。
そして非常呼び出しボタンは、床から30cmほどの低い位置に設置されています。
おそらく、入浴中に体調を崩し、立ち上がれなくなった場合でも、床を這って押せる高さなのでしょう。

一つひとつは小さな工夫です。
しかし、それらが積み重なることで、「安心して利用できる」という体験につながっています。
これは偶然ではなく、一貫した設計思想によるものだと感じました。

完璧な正解ではなく、その場所での最適解

保育園時代の低い洗面台をそのまま残した実際の理由は分かりません。
コスト面だったのかもしれませんし、それも含めた設計だったのかもしれません。
真意は分かりません。

しかし、結果として、その低さはこの施設の価値になっていました

もちろん、毎日使う自宅なら、高さを調整できる洗面台の方が快適かもしれません。
一方で、一泊二日の宿泊施設であれば、私が感じた多少の使いにくさは十分に許容できます
そして、その代わりに、利用できる人は増える

私は、これがこの施設における「最適解」なのだと思いました。

ユニバーサルデザインとは、誰か一人にとって100点満点の設備を作ることではありません。

その場所の目的や利用者、コストも含めて考え、多くの人が利用できる最適なバランスを探すこと。
そんなことを、この施設から教えてもらいました。

障害があっても、旅行をあきらめないために

障害のあるお子さんや車椅子利用者のご家族にとって、「泊まれる宿」は決して多くありません。
だからこそ、このような施設の存在は、多くの方に知っていただきたいと思います。

美味しい料理を楽しみ、安心して宿泊し、家族で旅行を満喫する。
それは決して特別なことではなく、誰もが当たり前に享受できる時間であってほしいと思います。

今回の宿泊を通して、施設そのものだけでなく、その背景にある考え方にも多くの学びをいただきました。
こうした施設や地域の取り組みが、多くの方に知られ、利用されることが、誰もが楽しめる地域づくりにつながると感じました。

素晴らしい時間をありがとうございました。

なお、この施設は、昨年開催したユニバーサルツアーでも利用させていただきました。
また、先日開催したユニバーサルビーチのスタッフ講習会では、講師として参加した車椅子利用者の方にも宿泊していただき、大変好評でした。

こうした実績からも、障害の有無にかかわらず、安心しておすすめできる宿泊施設です。

今年10月に開催を予定しているユニバーサルツアーでも、利用させていただく予定です。

執筆:横沢友樹

ふるさと納税でウニしゃぶスープがもらえます

私たちは、このような「観光」と「福祉」が自然につながる地域づくりを目指して活動しています。
この施設で感じた『誰もが楽しめる地域』という考え方は、私たちPlus One Happinessが目指している地域づくりそのものです。

釜石市では、ふるさと納税の使い道として当法人の活動を指定することができます。
皆さまからいただいた寄附は翌年度、補助金として当法人の活動に交付され、障害の有無にかかわらず誰もが地域を楽しめる環境づくりに活用されています。
今回ご紹介したウニしゃぶも、釜石市のふるさと納税返礼品として選ぶことができます。美味しい食を楽しみながら地域を応援し、その応援が障害のある方も楽しめる地域づくりへとつながる。そんな応援の輪が広がれば、とても嬉しく思います。

もし釜石市へふるさと納税をされる機会がありましたら、ぜひ使い道に「Plus One Happiness」をご指定いただけますと幸いです。

施設詳細

施設名:御箱崎の宿
公式サイト:https://ohakozakinoyado.jp/